ジョージ・ネルソンのネルソンべンチに恋して
ジョージ・ネルソンのネルソンべンチ
ジョージ・ネルソンの代表作、ネルソンべンチ(Platform Bench / プラットフォーム・ベンチ)の購入の仕方なんて、今更、説明すべくもない。
いや、それはもちろん、リプロダクト品の最安値はいくらだとか、ハーマンミラーの正規品はいくらだろうかとか、気にはなる。(ハーマンミラー社のハーマンミラー社の正規品は、ほぼ毎年のように価格改定で値上がりしている。)
そういう情報は、別のページでは紹介するが、このページでは、まずはネルソンべンチについて、そして、ジョージ・ネルソンについて、ただ書いていく。
ネルソンべンチ(Platform Bench / プラットフォーム・ベンチ)
ネルソンべンチとジョージ・ネルソンのどちらかから先に書くか迷ったが、それに普通は作者のジョージ・ネルソンの生い立ちなどから書く方がアカデミックなのかもしれないが、私の場合、最初にネルソンべンチがあってジョージ・ネルソンがあるのであり、その逆ではない。
ジョージ・ネルソンはもちろん偉大な創造者であるが、私が先に恋したのはプラットフォーム・ベンチの方である。
ネルソンべンチはハーマンミラー社でのジョージ・ネルソンの最初の作品
1945年、雑誌「フォーチュン」に掲載されたネルソンオフィスに、ネルソンべンチはあった。
「フォーチュン」誌に掲載されたネルソンオフィスの様子が、一体どのようなものだったのか、私は知らない(ネットで探したが出てこない。ご存知の方がいれば教えて欲しい。)。
しかしきっと評判が良く、ネルソン自身にも手応えがあったのだろう、1946年、ハーマンミラー社でのネルソンの最初の製品として、ネルソンべンチの販売は始まった。
しかし1967年、ジョージ・ネルソンがハーマンミラー社を去るのと時を同じくして製造を終了。
27年の歳月を経て、1994年、ハーマンミラーフォーザホーム(Herman Miller For The Home)によって、復刻される。
最初の製造当時はバーチ材やホワイトマホガニー材が使用されていたが、復刻後は、メープル材をメインに、ウォールナットを使用したものも存在するなど、より現代の嗜好に合わせた製品になっている。
「ネルソンべンチ」すなわち「プラットフォーム・ベンチ」とは。名前の由来
一般にネルソンべンチと呼ばれ、ジョージ・ネルソンの代表作として誰もが知るその椅子の名は、「平らな台」を意味するという。
確かに平らであるが、テーブルとはそもそも平らなのではなかろうか。
ネルソンべンチの良さは、和風建築の格子戸を思わせる洗練された直線の美、そして、それが生み出す光と影の陰影であって、「平らなこと」ではない。
そもそも、本当にプラットフォーム・ベンチという名前は「平らな台」であることを買手にアプローチすることを意図して命名されたのだろうか。
もし仮に、商品紹介の冒頭文で「駅のプラットフォームで凛と孤独に佇むベンチ、思い出して欲しい、その姿を」とかやられたら、それはそれで、私は深く頷きながらその光景を頭に思い描いてしまうだろう。
私の勉強不足ではあるが、今後、名前の由来に関して新たな発見があればご紹介したい。
ジョージ・ネルソンのProfile
1908年 コネチカット州ハートフォード生まれ
1931年 イェール大学で建築の学位を取得
1936年 ウィリアム・バンビーとともにニューヨークで建築事務所開設
1946年-66年 ハーマン・ミラー社デザイン部長
1947年 ジョージ・ネルソン・アソシエイツ設立
【主な作品発表年】
ネルソンべンチ(プラットフォーム・ベンチ)(1946)
ボール・クロック(1947)
バブル・ランプ(1952~)
ココナッツ・チェア(1956)
マシュマロ・ソファ(1956)
アクションオフィス(1964)
1986年 ニューヨークにて死去